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日本語教師

今日の日本語プライベートレッスン:生活の中で必要な「漢字」を練習中。書き順は大事だな!

漢字の書き取り練習中

プライベートレッスンが2ヶ月経過!

4月2日からスタートした日本語のプライベートレッスンも、早くも2ヶ月を超えました。

ひらがな、カタカナをコツコツ練習して、読み書きをアップグレード中です。

つい最近はようやく住所や肩書きを漢字まじりで練習するところまで来ました!

クライアントさんは日本に住んで長いです。でも日本語での会話はできても、自分の生活(仕事)に関わる単語や表現以外は知らないことが多いこと、また文字を書く機会があまりなかったので、なんとなく読めても自信を持って書けないことがとても気になっていたそうです。

そこで今は住所や肩書きを始めとして、仕事で出てくる言葉を自分の手で書けるようになること、を大きな目標にしつつ、ときどき「みんなの日本語」の初級を使いながら、逐次知らなかった言葉を覚えていくーというスタイルにしています。

プライベートレッスンなんで、学習者の立場として、そのときもっとも必要なことにフォーカスできるのがいいですね。

ひらがなも、仕事が忙しくて書く時間がないと忘れちゃうものがあるので、レッスンの最初に書き取りテストしてます。

ひらがな、カタカナ、漢字が混在するようになってきた今は、ひらがなとカタカナが入れ替わってしまったり、あまり長い書き取りだと集中力が続かず、フランス語の筆記のクセがモロに出てきたりといろいろあります。

そのときでいろんな傾向があって私も発見の連続です。

漢字は身近なものからスタート

ひらがな、カタカナは基本中の基本なので、有無を言わさずすべてやります。

では漢字はどうしましょう。

小学校だったら「ー」「山」「川」とかそういう漢字から勉強しましたよね。

でも相手は大人ですし、やはり一番書く必要を迫られる漢字から練習です。

一番は、住所と名前。

銀行や役所で書類をたくさん書かされるので、そのときに書けないと本当に困るようです。先日も銀行で「代表取締役」「株式会社」などが書けず、さらに何枚も書類を自筆で書かされるので大変だったと嘆いてました。

そこで「ひらがなとカタカナ終わったところだし、それやりましょう!」ってことで練習開始。自分も一番やりたかったことなので、気合いが入ってました。すでにかなり書けます!

 

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大人なので、習得早いです。

「書き順」が分かると習得が早まる

今日は住所と肩書きの復習をしたあと、経営しているお店のメニューに出てくる言葉をやりましょうってことで、頻出漢字の書き順を練習しました。

「有機トマト」の「機」を見たときの「ピュターン……」wwww

なんだこれ? こんなの書けるのか? というね(苦笑)

漢字を練習しているのを見てて痛感したのは、「書き順は大事なんだな」ってことでした。

文字なんて最終形がちゃんと読めればどうだっていいじゃないか、とも言えますが、点と線が入り交じる漢字の場合、書き順が分かるのとそうでないのでは、書くスピードが全然違うし、覚えるスピードも違うみたいです。

書き順が分からないと、絵というか図としてその形をまねようとします。だからどこから書き始めるかーというか「描く」に近い状態になります。点、線、四角の組み合わせの図形。

でもこういう順番で書くのだと伝えると、練習もスピードアップ!

その流れの中で、「もっと早く書くと、ひらがなのこれになりますね」って伝えると「なるほど!」となります。

書き順を教わったときと、自力でやっていたときでは、形の美しさも覚えるスピードも全然違うというのをご本人も認識しているので、間違いを見つけて指摘しても

「書き順大切!」

といって、納得して練習してくれます。

今日なんて、「機」を見たときは「もう有機トマトは使わないから、この字も使いませんね!」といいながらうんざり顔だったのに、書き順を教えて、2回くらい書いてみたところで「書ける!」と実感したようでした。

「機」を練習中

「機」を練習中

その後はリズムをとりながら何度も練習していました。

ただ「機」の最後の点だけは

「この点はなんでここなんだ!」

って不満そうだったのが面白かったですw

自分の書き順の再確認にもなる

「長ねぎ」の「長」の書き順を見せているときのこと。

念のため書き順を見られるサイトでチェックしたら、私の書き順違ってたことが判明(^▽^;;

横線が突き出るのは、一番上の横線から書き始めていたからでした……。

「長」の書き順を間違って覚えていました

私は「長」の書き順を間違って覚えていました

1画目は縦線から!

そうやって書くと、横線が突き出ない。

それを見せたら、さらに「書き順は大事ですね〜」と言ってました。

まさに反面教師!😂

1文字で2つ分お得!? 漢字の成り立ちにも触れる

漢字の構成って面白いんですよね。

日本語教師養成講座で勉強したんですけど、どんな構成(分類)になっているのかは、許慎(きょしん)という人が、後漢の時代(紀元100年)に編纂した、中国最初の字典「説文解字」「六書」にあるそうです。

六書(説文解字)


(もん)
象形 もともとの形を絵で表したもの
例)月、日、口、手
文字の成り立ち
指事 象形では表現できないような抽象的な内容などを線や点で表したもの。
例)上、下、八

(じ)

会意 意味を表す要素を組み合わせて作ったもの。意符+意符
例:林、明、計
形声 意味を表す要素と、音を表す要素を組み合わせて作ったもの。意符+声符
例:景、障、糖、副
転注 本来の意味から派生した意味で使ったもの。
例:楽(元は音楽の意味、やがて楽しいに転じる)
文字の運用
仮借 ある言葉を表すおき、音が類似している字を転用して使ったもの。
例:云(元は雲だが、音の重なりにより話す意に転じる)

六書のうち「形声」に関する文字が一番多く、収められている9353字のうち約80%を占めるそうで、日本語の常用漢字でも2/3が形声文字だそうです。

書き取り練習のとき、このあたりにも触れたりします。

とはいってもこれをこのまま伝えても意味不明なので、たとえば「草」ならくさかんむりの成り立ちを絵で描いて、その後、日を書いてから十を書く。実はこれは「早い」の「早(そう)」。草は1文字だと「くさ」だけど「ほうれん“そう”」の「そう」という音は「早」と同じだし、草が書けるようになると、「早」も書けている! などと説明してみました。

漢字と漢字が合体したタイプなら、1文字練習するだけで、実はほかの漢字も書けるようになってますよ!

っていうとお得感がでていいみたいでした(笑)

漢字の音読みがたくさんあるのは、いつ日本に入ったかが理由だった

漢字の音読みがたくさんあるのは日本人としても納得いかないところなんですが、それにも理由がありました。

どの時代に、どの地方から伝わったかによって読み方が異なるというのです。

音読み
呉音
5〜6世紀頃に伝わった揚子江の下流地域の南方音。仏教に関係するものが多い。朝鮮半島経由で伝わったといわれている。
ギョウ
ミョウ
キョウ
漢音 7〜9世紀のころ随や唐から留学生・遣唐使などが持ち帰った音。現在でも2/3以上が漢音で、残りが呉音。 コウ メイ トウ ケイ
唐音
宋、元、明などの時代に禅僧や商人が伝えた南方の沿岸地域の音。早くて11世紀。あまりなじみのない音が多く、行燈(あんどん)などがある。
アン
ミン
ジュウ
キン

日本語に多いのは漢音だそうです。

自分も講座受講しながら「へ〜〜〜!」って思いました。

要するに「だから、しょうがないんです」と(笑)

全部覚えるのは大変なので、自分に一番近い読み方にフォーカスしてもらおうと思っています。

今のところ文法などは全然レッスンに登場しませんけど、これはこれで面白い体験ですし、自分も検定試験のための復習になってありがたいです。


					        
	
									
  • この記事を書いた人

麻鈴

永豊麻鈴(ながとよまりん) ビジネスネーム作成士(姓名鑑定士)、カタカムナ使命診断士、フリーランス日本語教師(420H養成講座修了、日本語教育能力検定試験合格、文化庁委託初任研修修了)/フリーライター(著書複数)/睡眠改善インストラクター

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