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【虐待通報をする前に】せっかく通報しても「確認できなかった」とされないために。私が老人虐待の通報をしたときにしたこと

虐待からの保護

こういう事件が報道されるたびにやり場のない怒りを感じ、いてもたってもいられないすずまり(@suzumari)です。

通報が3件あっても解決しないのはなんで? と思いますね。確認しにいったとき確かに通報の通りだったとわかる事象がないとダメみたいです。

こういうケースでは訪問しても虐待を認めるはずもないし、ましてや見て分かるとしたらハイハイとドアをあけるはずもない。

通報した側は、自分が気づいて通報したのに救えなかった・・・・・・とものすごく悲しい気持ちになるはず。

ここで通報する側も、ただ電話してもダメだってこと、気づいたほうがいいです。

ポイントは「事態の緊急性を関係者全員で共有できるようにすること」です。

そしてそれには「証拠」が必要になります。

私が老人虐待の通報をしたときにしたこと

実は数年前、私は老人虐待の通報をして保護してもらえたことがあります。

個人が特定できるといけないので詳細は記述できませんが、そのときは認知症の母親を高齢の息子が虐待するというケースでした。

地域包括支援センターに通報の電話をする

明らかにおかしな様子に気づいたとき、まずどこに連絡すればいいかわかりませんでした。

SNSで友だちに相談したところ「地域包括支援センター」に連絡するといいと教えてもらいました。最寄りの地域包括支援センターは検索すれば出てくると思います。

そこで電話してみました。

「そうですか。確かに最近そういうお電話が、最近何件かあるんです」

と言われた気がします。

電話して報告したんだから、もう他の人からも通報があるんだったら、すぐ解決するだろうと思っていました。

しかし、虐待を疑う物音や声は翌日もその翌日も続きました。

言われて行ってみたところで、物音や罵倒する声などが聞こえなければ「確認できなかった」となってしまうようでした。

あとから聞いた話では、当事者の男性を呼んで聞いても「ときどき大きな声を出してしまうことはあるかもしれませんね〜」と言われたそうです。ぱっと見、すごく人当たりのいい印象の方なんです。これも盲点になります。

なんで周りはもっと電話しないんだ! と思ったのですが、近所の方々に聞いても「うちでは聞こえないわ」というケースもあって、住宅の位置関係によっては気づかないケースもあるようでした。

メモと録音データを証拠として提出する

とにかくある時間帯になると聞こえてくるその声は、本当に恐怖でした。

それは夜に起きていました。

つまりスタッフの「勤務時間外」です。「今起きてます!」と電話したことはないですが、おそらくしても誰もでないでしょう。現行犯での確認できないからくりの1つだと思います。

私は虐待の疑いを記録することにしました。声が聞こえ始めた日時、聞こえた内容、暴力を振るわれている怖れのある音などを毎日メモしました。そして同時にダメもとでICレコーダーを聞こえる方角に向けて起き、聞こえなくなるまで録音し続けました。

1週間以上続けたと思います。そう1週間たっても解決してなかったんですよ。

電話は他にも何件もあったのに。

私は虐待の内容メモをプリントし、ICレコーダーで録音したファイルはCD-Rに焼きました。

そしてまた最寄りの地域支援包括センターに電話しました。

「前に報告したものですが、未だに続いています。記録したんで聞いて欲しいです」

「え! まだ続いてますか!?」

「はい。あれからずっと続いてます・・・・・・」

そのまますぐ地域支援包括センターにいき、パソコンを借りて録音した音声を聞いてもらいました。

記録している私も本当に辛かったので、聞きながら泣けてきちゃいましたよ・・・・・・。

音声を聞いたスタッフの顔色が変わったのがすぐわかりました。

「確かに罵声がしていますね・・・・・・今のは・・・・・・叩いた音のようにも聞こえますね(汗)」

そんなデータが1週間分連続であるんです。

その時点で、非常に緊急性の高い問題として扱われることになり、離れて暮らす他の家族への連絡と、区への保護の許可などが進んだようでした。

そしてデイサービスのあるという日、その方はデイサービスにいく体で保護されたようでした。

かなり昔の話なので、いまはどうなったかわかりませんが、聞いているほうが辛くなる経験でした。なので、幼児虐待の通報も、される方の気持ちが推測できます。

でもタイミングよく確認できなければ、そのまま先送りになってしまう可能性があるんです。

通報しても、言葉だけでは緊急度は伝わらない

実際担当された方に伺ったところ、ただ「泣いている」「声がする」では緊急性が伝わらないんだそうです。

たとえば「ワンワン泣いてる声が毎日するんです」と言われたとき、あなたならどの程度をイメージしますか? もしかしたら悪さをして怒られてたんじゃないの?と、思うこともあるかもしれません。

しかし本当に聞くと、その泣き方から尋常じゃない状況を推測するはずです。言葉では伝えきれないものがあるということです。

あのとき、私が録音ファイルを提出したことで、センターのスタッフ全員だけでなく、他の家族、区の担当者全員にデータが共有されました。みながそれを聞いたことで同じ意識で動いてもらえたことがよかったのだと思います。

ご家族も「まさかこんなことが!」と言葉を失い、「すぐにお願いします」と依頼があったそうです。

ですから、可能なら録音してください。スマートフォンなら簡単だと思います。何日も続くようなら、それもメモしてください。

そしてそれを証拠として連絡してください。

ちなみに使ったICレコーダーは、仕事で使っていた古いオリンパスのVoice-Trek V-823です。録音できる距離かどうか分かりませんでしたが、性能を信じてその方向に向けておいておきました。距離があるため非常に明瞭とはいきませんが、異常事態であることが分かるレベルで記録できていたと思います。

犯罪者を生まない効果も

どうかあなたの知識、持ち物、経験をフルに活用してください。
自分ででできないときは、周りの人の力を借りてください。

「なんとかしたい。助けたい。力を貸してほしい」

そういわれて断る人はいないのではないでしょうか。

それが人の命を救うことになるかもしれません。

それだけではありません。

認知症のお母さんが保護されたあと、それを確認した私は担当された方に言われました。

「息子さんを犯罪者にしなくてすみました。ありがとうございました」

私からは以上です。参考になれば幸いです・・・・・・<(_ _)>

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  • この記事を書いた人

麻鈴

永豊麻鈴(ながとよまりん) ビジネスネーム作成士(姓名鑑定士)、カタカムナ使命診断士、フリーランス日本語教師(420H養成講座修了、日本語教育能力検定試験合格、文化庁委託初任研修修了)/フリーライター(著書複数)/睡眠改善インストラクター

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