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日本語教師

今日の日本語プライベートレッスン:文字にも「母語の干渉」が!?

母語の干渉が文字に!?

今日もプライベートレッスンに行って来ました。「みんなの日本語」を進めるつもりでいたのですが、流れでひらがなの練習になりました!

「ひらがな」時間が大切だと思ったワケ

前の週に「文字の練習に対面で時間をかけるのはもったいないので、子ども用の練習帳などを使って書き取りの練習をしてみてほしい」といったら、「ひらがな」をびっしり練習されていたのです。みんなの日本語に書いてあった五十音図をお手本に。ものすごい熱意!

見せて下さいとお願いして確認したら、見ながら書いてもらうだけじゃ限界だなと思いました。間違った書き方のまま、繰り返し繰り返し練習してしまっていたのです。

トレースではなく、目で見ながら真似をしていたので、どうしても真似しきれないうえにクセがでてしまい、それを繰り返すので固定化しつつあるのが分かりました。

そこで、ひらがなの書き方を1から説明する時間にしました。

自由に変えられるのがプライベートのいいところですね(^^)

大人相手に? て思うかもしれませんが、これまで1度もちゃんと教えてもらったことがないとのこと。ご本人も気にしていて、ちゃんと書けるようになりたいと切望されていたのです。

だったらまず綺麗に書けるようになりましょう!と。

すでにコミュニケーションができるだけの会話は可能なのだから、コンプレックスを潰しましょう。そのほうが自信を持って次に進めますもんね。

お手本を書くのは大変!

そもそも書き取り帳にお手本がないのが問題。やはり上からなぞって手に覚えさせることも必要なんだなと思いまして、先に書いてもらったノートの新しいページに、お手本を書き込みました。

自作のひらがな練習帳

自作のひらがな練習帳

このとき困ったのは、「みんなの日本語」で使われてるフォントにどこまであわせるかでした。一番よく見るのがそれなので、私のクセも矯正しなければならない(苦笑)

特に「ふ」は、よく見るフォントの「ふ」ではなかったので、どうしたものかと。最終的に本人が書きやすいものにしました。でもあれは悩みますね。

書いたお手本に、最初の練習で間違えていたところや、書き順を間違えていたものは順番を、クセの出やすい部分は矢印を追加で書き込んで、意識しやすいようにしてみました。

本当なら最初に大きな文字でなぞってラインを覚えてもらいたかったんですが、それは1文字ずつ個別に指導するときにやってもらうことにしました。

1文字ずつ練習したら、母語の干渉が見えた

納得いくまで1文字ずつ練習!

納得いくまで1文字ずつ練習!

最初、特にクセがひどかった文字をチェック。すると面白いことが分かりました。

書いてもらうと、すべて最後を払ってしまうんです。しかも、「な」「ま」「は」「ほ」の下に向けて止めて終わる線が、上に跳ね上がってしまう。

母語の干渉が文字に!?

母語の干渉が文字に!?

何度やっても出てしまうので、おもいがけず

「ピュタ〜〜〜〜〜ン!wwwwww」

はい出た「Putain」!
フランス語で「クソ!」「チキショー!」みたいな感じで使うスラング!

そうです。生徒さんはフランス人(笑)

アルファベットを書いてもらったら、どれも最後は全部払ってました。それがひらがなにもでてしまうのですね。「や」も頼りない感じになります。

止めや払いを区別しながら覚えるのは難しそうだったし、習字ではないので、とりあえずできるだけ最後は止めて書くようお願いしてみました。

あとは、あ行から線の位置、長さの関係、左右のバランスなどを、逐一アドバイスしながら1文字ずつ練習していきました。

「さあ、問題の「ぬ」が来た! 「ぬ」の時間です!」

「ピュターン!wwww」

「ぬ」は「たれぱんだ」に似ている

「ぬ」は「たれぱんだ」に似ている

でもポイントを覚えるのが早くて、教えたら自分だけで書いていたときとまるで違う筆跡になりました!

どんどん綺麗になっていくので、教えるほうも楽しかったです。

でも油断すると、クセがでます(笑)

「さあ……そこは(下に下げるのよ……!)」

「……ピュターン💢」

でもやっぱりクセがでちゃう

でもやっぱりクセがでちゃう

どうしても手が動いてしまうので、本人も悔しそう〜〜〜〜!

こればっかりは書いて直していくしかないので、意識するようお伝えしました。

でもめちゃくちゃ綺麗になりました!!

何度でも練習

何度でも練習

どこから書き始めたらバランスがよくなるか、というのも合わせて伝えると直しやすいみたいです。

私の書いた渾身の「み」もご覧ください!(笑)

きれいになってきた!

きれいになってきた!

50音を2/3くらい行ったところで時間になったので、残りは次に。

「書けるようになったなと思ったら、そのひらがなで知ってる名前を書いてみてください」を宿題にしました。1文字だけでなく「いえ」「あお」など複数文字書いてバランスをとれるように。

やってみて思ったんですけど、これってオンライン授業じゃサポート難しいですよねぇ?

生活者向けのコースデザインは臨機応変さが大事かな

この方の場合、このように基礎の「き」からやっていく時間と、生活や仕事の中での困りごと、すぐ使えることを都度要望に応じてサポートする時間の2タイプを交互にやることにしました。

さらに、毎回レッスンの前には、漢字の読み方を覚える小テストもやろうって話になってます。

そのときは学習で超オーソドックスな「単語帳」をFCのようにして使う予定。書けなくても読めた方がいい(変換するときは選べたほうがいい)漢字がたくさんあるので、それを単語帳にして活用してもらうんです。もちろん書くのは私ですけどw

たぶんピュターンの嵐になると思います。

アプリ使えばいいじゃんって思いますよねぇ?

老眼なんですよね〜(苦笑) 漢字は画数によっては見づらいので……。

ストレスなく使えるのはやっぱり単語帳かなぁって思いました。

ほんと、すべてが前に立ってやるのとは全然違いますね。

学校の実践授業で習ったことを思い出しながら、がんばりたいと思ってます。

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  • この記事を書いた人

麻鈴

永豊麻鈴(ながとよまりん) ビジネスネーム作成士(姓名鑑定士)、カタカムナ使命診断士、フリーランス日本語教師(420H養成講座修了、日本語教育能力検定試験合格、文化庁委託初任研修修了)/フリーライター(著書複数)/睡眠改善インストラクター

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